試せる入れ歯
口になじみ快適に噛めるまで調整し理想を追求
なぜ、入れ歯で苦労する人が多いのでしょうか。
それはどんな入れ歯が患者さんに合うのか、しっかり確認できていないからです。
当院では、どなたにも満足していただける部分入れ歯や総入れ歯を作りたいと研究を重ね、患者さんお一人ひとりの入れ歯を調整し、その方に合うようにカスタマイズを繰り返してきました。その結果、その方にとってふさわしい入れ歯は個人により異なること、そして以前は難しいとされていたことや、一般的に無理だと言われている設計でも患者さんに合わせて試してみると、成功する可能性があることもわかりました。
良い入れ歯は、落ちない・動かないギリギリの限界点がポイント
入れ歯は、「落ちない・動かないギリギリのところ」で使いこなせるものが良いのです。つまり、きつくなく緩くもない絶妙な限界点を探す必要があります。それはとても微妙な調整になるので、1回や2回ではできません。当院では、何度も調整を繰り返し、入れ歯の機能性や快適性の絶妙なバランスを追求して、その人に合う良い入れ歯を作り上げています。
研究の成果から誕生した「試せる入れ歯」
こうした調整やカスタマイズの繰り返しの経験の中から生まれたのが「試せる入れ歯」です。一定期間に数種類の入れ歯を試し、違和感や痛みを調整しつつ、フィット感の得られる入れ歯を探すことができる、オーダーメードの仕組みです。
ざっくり噛み合わせを決めてカスタムアップを繰り返す
具体的には、まずざっくり噛み合わせを取り、患者さんにとって楽な位置、見た目に良い位置、発音しやすい位置、噛みやすい位置に噛み合わせを設定します。できるだけ患者さんの感じ方や気持ちを反映させて噛み合わせを決め、歯の位置、歯の高さを決めていくのです。
その後、その入れ歯を基準として、痛みや発音、噛めるかどうか、見た目などについて具体的な不具合や改善点を話し合って、修正を加えていきます。最初にざっくり噛み合わせを決めることで、口を開けた時、噛んだ時の顔全体のイメージが整うため、歯の修復治療を済ませた後の見た目の予測などもイメージが掴みやすくなります。
試している間の快適性にも配慮しています
試すのに使う入れ歯はプラスチック製です。入れ歯の床(しょう)といわれる部分の厚みが1~2mm(一般的なものは平均3~4mm)とかなり薄いので、お口の中は広くなり食べ物が食べやすくなります。試している間も快適に過ごしていただけます。
試せる入れ歯の特徴
「試せる入れ歯」で試行錯誤とカスタマイズを行い、ぴったり合う良い入れ歯ができたところで、これを基に新たに最終入れ歯を製作します。最終入れ歯は、外から見えない部分をできるだけ金属に置き換えた入れ歯(金属床入れ歯)で、薄くて軽い金属を使用するため、プラスチック製より快適だという方が多くいらっしゃいます。
また「試せる入れ歯」で充分満足されている方は、そのままそれを最終入れ歯としてお使いになっても構いません。金属製の入れ歯は簡単に修正や作り直しはできないので、「入れ歯がフィットする」という患者さんのみにお勧めしています。なお、「試せる入れ歯」がどうしても合わない方はブリッジやインプラントへ変更することになります。
●試せる入れ歯の特徴
- 違和感や異物感がどの程度か判定できる
- 修正することで、快適に感じられる
- 歯の治療のバリエーションが増える
- 患者さんの精神的な負担が軽くなる
- 歯への健康意識が高まり、歯のお手入れのモチベーションが維持できる