Q.今使っている上の入れ歯は調子がいい
A.歯並びや噛み合わせの点で多少難しくなりますが、患者さんの本音の要望にお応えして、片方だけでも入れ歯を作ります。
大丈夫です。本来入れ歯は上下同時に作るのが一番良いのですが、まずは下からでもお作りします。
今までにもたまにそういう患者さんはいらっしゃいます。プラスチックの「試せる入れ歯」であっても、金属床入れ歯であっても、片方だけ作るということは可能です。
ただし、片方だけ作ることには多少の問題はあります。
それは、今使っている上の入れ歯に合わせるような形でしか下の入れ歯を作れないということです。特に歯並びや噛み合わせの点で、上の入れ歯に合わせた並べ方しかできないわけですから、今まで以上に噛めるようになるかどうかという問題や、見た目の良い歯並びに変化させられるかどうかという問題などは少し制限があるため難しくなる可能性があります。これらの問題をご理解していただいたうえで、できるだけ良い入れ歯をお作りしています。
また、初めは片方だけ希望して作られた患者さんも、こんな感じで下の入れ歯が入るならば、上の入れ歯も今よりもっと快適になるだろうと思っていただいたのか、結局「やっぱりもう片方も作ってください」と言われることが多々あります。このような時は、患者さんのために一生懸命やってきて本当に良かったなと思う瞬間です。
おおよそ歯科医師は、自らが医療的に正しいと思う治療だけを患者さんにすすめることが多いかと思います。そしてそれは、確かに医療的には最善の治療法だろうと思います。
しかし、その治療を受ける患者さんにとっては、結果は同じであっても、もう少し違った進め方で治療して欲しい方もいらっしゃいます。そのような患者さんの本音の要望を聞き逃さないで対応していくことが、私は良い入れ歯づくりには大切であるという考えです。
「入れ歯治療の新発想」
第1章 「逆転の発想」から考える入れ歯治療
第2章 新発想の「試せる入れ歯」
第3章 日本人に合った理想の入れ歯とは
噛みやすく、薄く、軽い 新開発の金属製入れ歯「ディアレスト」
第4章 入れ歯作りの真髄 私の入れ歯作りに対する取り組み
第5章 患者さんの本音に答えます
Q.自由診療は、保険診療と違って、なぜこんなに費用が高いの?