Q.歯周病だと、入れ歯になりやすいですか?
A.入れ歯に近づきますが、できる限りケアや治療で自分の歯を残しましょう。
歯周病というのは、簡単に言うと、歯周病菌によって歯の周りの骨が溶ける病気です。そのため、進行した歯周病になると、あごの骨が歯を支えられなくなり、最終的に自然に歯が抜けてしまうようなことにもなります。そして、歯が抜けたところは入れ歯を使うことになりますので、歯周病ではない人と比べた場合には、歯周病の人は入れ歯に近づいているといえます。
しかし、軽い歯周病で早期に発見できれば、正しい歯磨きなど毎日のケアでかなり改善していきます。
問題なのは、中等度の歯周病にかかっている場合です。歯の周りの骨が溶けてきて、もはや自宅において自分でケアするだけでは治らない状態まで進行した場合には、現状を維持するために短期集中で歯科医院に通い、専門的なケアを受けるしかないと思います。そうしてできるだけ歯が抜けないように保ちながらも、さらに進行した場合には、隣の健康な歯やあごの骨を守っていくために、いずれは歯を抜くという覚悟も同時に必要であると思います。
私は健康な歯というのは1本100万円くらいの資産価値があると考えています。なぜそう考えるのかと言えば、それは無駄な歯の治療をしないためです。例えば、グラグラの歯はすでに10万円の価値もないかもしれません。これに20万円かけて治療を考えることはお勧めできないのです。歯をできるだけ残すために、その価値に見合った治療で最善を尽くすべきだと考えています。
もちろん、入れ歯を作るうえでも、できるだけ歯があることが良い条件となりますので、たとえ頭の部分が虫歯でなくなってしまった歯でも、根が大丈夫であれば、その根を残して、入れ歯を作ります。なぜなら、根があるのとないのとでは、ものを食べた時に大きな差があるからです。根があると、ものを噛みしめる感覚がしっかり感じられるのです。根だけでも大切に残してください。
歯周病に感染して弱っている歯でも、自分の大切な歯ですから、できるだけ残すことができるよう、きちんと治療して、入れ歯にならないようにしましょう。そして、歯周病がかなり進行した歯については、抜くことがどこの歯科医院でも当たり前だと思いますが、私は、条件次第では患者さんの希望に合わせて残しても構わないと思っています。来る時がきたら、入れ歯にすればいいじゃないかというくらいの気持ちであれば残すこともできると思います。
「入れ歯治療の新発想」
第1章 「逆転の発想」から考える入れ歯治療
第2章 新発想の「試せる入れ歯」
第3章 日本人に合った理想の入れ歯とは
噛みやすく、薄く、軽い 新開発の金属製入れ歯「ディアレスト」
第4章 入れ歯作りの真髄 私の入れ歯作りに対する取り組み
第5章 患者さんの本音に答えます
Q.自由診療は、保険診療と違って、なぜこんなに費用が高いの?
技工士からのメッセージ
※公的医療保険は適用できません。