「試せる入れ歯」完成・調整
「試せる入れ歯」は快適!
こうした行程を経て、一つ目の「試せる入れ歯」が完成し、いよいよ口の中にセットされます。それから個人差はありますが、1~3ヵ月の間実際に使ってみていただき、入れ歯の調整に入ります。この時期に、患者さんに最適なデザインの入れ歯を考えて、私はあの手この手で患者さんと相談しながら、理想的な入れ歯を作り上げていきます。
最初に私が設計したデザインの入れ歯であまり満足されなかったなら、もう一度型どりから始めて、別のタイプの新しい入れ歯を作ります。そしてそれでもダメならまた作り直しますが、三度も別のタイプの入れ歯を作るということは、ほとんどありません。ちなみに、2回3回「試せる入れ歯」を作り直しても追加の費用は当然いただいていません。私が1回で良いものを作れば、そんな負担はもともと患者さんがしなくてもよいものだからです。
「試せる入れ歯」は、患者さんだけではなく、私にもいろいろなことを教えてくれます。「試せる入れ歯」は、プラスチック製ではありますが、デザインは保険診療の入れ歯よりも薄く、硬く、快適に考えられています。この「試せる入れ歯」の期間は重要で、最低でも1ヵ月くらいは経過をよくみていかないと、正しい情報が得られません。調整などを工夫していって、患者さんがこの入れ歯に十分納得されることが、次に、より快適な金属床入れ歯(ディアレスト)にステップアップされる時にはとても重要な意味を持ってきます。
ちなみに、私の医院では「試せる入れ歯」でもう十分満足されている患者さんも多く、「試せる入れ歯」のままで終了される方も少なくありません。人によっては金属にしたからといって、必ずしも費用に見合う快適さが得られるかわからないので、なんでもかんでも金属だから良いものというようなコンサルティングは、私はしておりません。
例えば30点の入れ歯を入れている人が、70点の入れ歯を入れれば、とても快適に感じると思いますが、80点の入れ歯を入れている人が90点の入れ歯を入れても果たして総合的に見て満足できるかわからないからです。患者さんが何点の評価をされているのか、きちんと判断することも治療の一つだと考えています。
「入れ歯治療の新発想」
第1章 「逆転の発想」から考える入れ歯治療
第2章 新発想の「試せる入れ歯」
第3章 日本人に合った理想の入れ歯とは
噛みやすく、薄く、軽い 新開発の金属製入れ歯「ディアレスト」
第4章 入れ歯作りの真髄 私の入れ歯作りに対する取り組み
第5章 患者さんの本音に答えます
Q.自由診療は、保険診療と違って、なぜこんなに費用が高いの?