「試せる入れ歯」の噛み合わせ・歯並び
安定した噛み合わせを探し、見た目の良い歯並びを目指す!
型どりの次は、噛み合わせを決めます。歯をつけていない、歯ぐきの部分だけの入れ歯のようなものをお口に入れ、噛み合う位置、高さを決めていくものです。
入れ歯は上下の噛み合わせが非常に重要になってきます。噛み合わせがズレてしまっては、その後の歯並びも合わないですし、完成して噛み合わせても、うまく噛めません。ただし当医院では作り直しも想定していますので、1回でうまくいかなくても心配ありません。何度でもやり直せます。
そして患者さんにできるだけ気楽に治療に参加していただくと、良い噛み合わせがとれることが多いです。また初めの噛み合わせ(スタートバイト)は、あとで修正がきく程度に決まれば何ら問題ありません。
実際には、目鼻の位置、首の傾き、左右の噛み癖、噛む力、顔のしわの寄り具合、何度やっても同じ位置を記録できること、姿勢を変えてみても安定しているなど、さまざまな要素を診断して、正しい位置を探します。言葉では説明できない、経験と勘がここには含まれています。
患者さんの中には、それまでの生活スタイルから、強い噛み癖が残っていたり、夜中に歯ぎしりを強く行っているような方も数多くいらっしゃいます。これらの噛み合わせのズレのようなものは、改善される場合もあれば、逆に無理に変化させて悪くなる場合もありますから、私の場合、まずは大きな変化はさせずに、少しずつより良い状態に移行させていく方法で、正しい噛み合わせを探していきます。
最初から急に噛み合わせを変化させるのではなく、それ以外にも改善すべきところはたくさんありますので、それらを改善してから、少しずつお口に合わせて改良していくのがベストな方法だと考えています。
患者さんのお口を一度見ただけですぐにわかるほど、噛み合わせは簡単な問題ではありません。十分に患者さんのクセをつかんでから、慎重に治療に入っていきます。
そして歯並びは、専属の歯科技工士が1本1本患者さんの口元に合わせて人工歯を並べていきます。実際に何度も口に入れていただき、鏡でじっくり何度も確認していただきながら、見た目の良い歯並びにしていきます。基本的なところはおまかせいただければ大丈夫だと思いますが、材質、形など歯の種類もたくさんあり、色も変えられますので、患者さんの好みに合った形・色の歯を選んでいただいてももちろん構いません。歯並びに関しては患者さんの好みを第一に考えていますので、ぜひいろんな注文を出していただきたいと思っています。
入れ歯を作るうえで、この噛み合わせと歯並びの決定は、顔の印象を決めるとても重要な要素ですから、歯科技工士とも相談しながら、入念に患者さんの顔立ちや口元に合わせて作っていきます。患者さんにとっては、自分の歯並びを見た目から考えるのは初めてかもしれませんが、逆に楽しんでご自分の歯並びを決めていただけたらと思います。
できるだけ患者さんのご希望に添えるように、お作りいたします。
「入れ歯治療の新発想」
第1章 「逆転の発想」から考える入れ歯治療
第2章 新発想の「試せる入れ歯」
第3章 日本人に合った理想の入れ歯とは
噛みやすく、薄く、軽い 新開発の金属製入れ歯「ディアレスト」
第4章 入れ歯作りの真髄 私の入れ歯作りに対する取り組み
第5章 患者さんの本音に答えます
Q.自由診療は、保険診療と違って、なぜこんなに費用が高いの?