口腔がんにならない入れ歯
堀ちえみさんの告白から、口腔がんを恐れて、調べている方がたくさんいらっしゃるというニュースを見ました。
その中で、入れ歯が原因で口腔がんになることもあると、テレビで歯科医師がお話をしていました。合わない入れ歯、形の良くない入れ歯の場合に、舌や頬やあごの部分が刺激を受けて、その刺激によって、口腔がんを引き起こす可能性があるという指摘でした。
まさしくその可能性はあると思います。
入れ歯を作る技工士としましては、この問題は入れ歯に限らず、詰め物やかぶせ物、差し歯などすべての補綴物【ホテツブツ】(歯医者さんで入れてもらう人工物を総称してこう言います)に言えることだと思っています。
つまり、こうしたホテツブツが、本当に適正な形の入れ歯やかぶせ物や差し歯なのか?となると、これまで18年間患者さんの口の中や型を見てきた中で、多くの方が良いホテツブツを入れられていないと言えます。
保険診療で早く安くていいかもしれないですが、素材も良くなくて、形も決して良いとは言えないホテツブツを入れられている方がほとんどです。
もちろん保険診療でも誠意のある治療をされている先生はいらっっしゃると思いますが、例えば、セメントで最終的にセットする時、あるいは、入れ歯を口の中で調整した後に、削った表面が本当の意味できれいに磨かれているかと言えば、はなはだ疑問でもあります。
トランペットの金色のピカピカの表面のような、いわゆる鏡面のような研磨仕上げをするには、われわれプロの技工士が常駐して、約10~20分かけて磨かないとそうはなりません。
ですから、技工士もいない歯科医院では、おそらくギザギザになった表面をラバーというシリコンゴムで磨くくらいが関の山で、磨き残しも多々あると予想します。
そのような物が口の中でセットされているのが日本では当たり前のことなので、これまで誰も問題視しませんでしたが、自由診療でできるだけ良質な入れ歯やその他のホテツブツを作ろうと思っているわれわれ自由診療の歯科技工士は、できるだけ良質なものを求めていただきたいと思っています。
特に、私は入れ歯専門ですので、入れ歯に関して申しますと、保険診療で規格化されている現在の入れ歯は、口の中で大きすぎますし、歯に負担をかけ過ぎていますし、異物感が大きすぎると断言できます。もっと言いいますと、保険診療中心の歯医者さんで自由診療の入れ歯を作ってもらったとしても正直どれくらいのクオリティの入れ歯なのかな?と疑問です。
そのような入れ歯が原因で口腔がんになるとは言えないですが、もっとシンプルで、負荷の少ない、デザインも形も見た目もいい入れ歯が今ではございます。
そのうえ、かみ合わせのバランスもしっかり考えて調整して行きます。
しかしながら、窓口である歯医者さんが、治療のことばかりで、入れ歯のことをあまり知らないですし、入れ歯に興味のない歯医者さんが多すぎますから、一般の皆さんに良質な入れ歯が紹介されていないという現状があります。
以前も書きましたが、入れ歯が得意な歯医者さんは1割もいない(歯医者さん10万人いて、1万人もいない)というのが、入れ歯を得意とするわれわれ歯科技工士たちのホンネでもあります。
生きている間、何十年も毎日使って行く、歯あるいは入れ歯ですので、ぜひ良質なものを求めて、口の中の病気につながらないようにしていただきたいと、切に願います。
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