入れ歯が分厚い
保険診療で作る入れ歯の多くが、3mm~4mmくらいの厚さのある入れ歯であります。
これは簡単に入れ歯がこわれたり破折しないために、このような分厚さにしているのですが、実際に利用する患者さんにとっては、4mmのプラスチックを口の中に入れて過ごすというのは、かなり苦痛だと思われます。
私共ではできる限りギリギリまで薄く削るようにしていますが、それでもプラスチックですと、1mm~1.5mmは最低限必要です。
入れ歯が分厚いとさまざまな問題が起こります。まず口の中が非常にせまく感じます。
食べ物が口の中に入ってもうまく動かすことができにくいです。また入れ歯はだ液を吸いますので、口の中もよく乾きます。
普通、上のあごの天井や歯ぐきで飲み物の熱さ・冷たさを感じるのですが、入れ歯が分厚いとよくわかりません。味を感じることが弱まります。熱いお茶を飲んだとき、最初はのどの奥の方でいきなり熱いと感じますので、注意が必要です。
そして分厚いと異物感が大きいので舌も動かしにくいため、しゃべりにくいと皆さん言われます。内側でも大きく削ってやれば、しゃべる時の舌の動きは良くなりますから、かなり薄く快適になったと感動されます。さらに上の天井部分など、すべて削除できたら一番快適なのですが、保険診療ではまず全く無理ですし、自由診療でも患者さんのあごの状態によって、うまくいく症例と入れ歯安定剤を付けないと難しい症例があります。
しかし、自由診療ならばできないことはなく、私共の患者さんの多くが上の天井部分のない入れ歯で非常に快適に過ごされています。
食べ物、飲み物のおいしさを味わえるというのは、何物にも替えがたい喜びですし、発音もいいのでよくしゃべられますから、一石二鳥どころではないのです。
入れ歯を薄く作るという意味では、プラスチックは金属にかなわないです。
費用はかかりますが、一度土台として作っておけば、長期間安定して使えますし、丈夫で強く物がかめ、変形が少なく、衛生的で臭いも付きにくいうえ、薄いので口の中に入れているのも楽ですし、話すのも話しやすいです。
ひと言で言ってしまえば、分厚いプラスチックの入れ歯とは天と地との差があると言えます。
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