抜けた2本が離れている症例
2本歯がない症例と言いましても、たくさんの症例が考えられますが、そのいくつかの症例につきまして、くわしく述べたいと思います。基本的には、歯が2本2カ所に抜けている状態というのは、1本だけ抜けている状態よりも入れ歯は作りやすいものです。2カ所を利用して入れ歯をとめることができますので、異物感は増えるものの、1本の入れ歯よりも入れ歯の安定感は非常に良くなります。
≪抜けた2本が離れている症例≫
これが一番入れ歯としては作りやすい症例です。考えられるケースとして、前歯と奥歯、右の奥歯と左の奥歯、前歯で離れて2本抜けている症例についてお話します。
●前歯1本、奥歯1本抜けている症例
上であっても下であっても、この症例の場合には抜けている歯の間に何本かの健康な歯がありますので、その歯に負担をかける形になりますが、比較的しっかりと入れ歯はとまります。
ただ一つ心配な点は、奥歯のかみ合わせの調整です。奥歯でかむたびに前の歯がカタカタ動くようでは、人に見られた場合におかしいので、奥歯の調整をしっかりと行い、入れ歯のかたつきがないようにしなくてはいけません。そして当然ですが、前歯は見た目が大切ですから、バネのようなひっかけるものはつけないで見た目のいい入れ歯を作る必要があります。それには技術が必要になりますが、今ではそのような見た目に入れ歯とわからないような入れ歯も十分作れるようになっています。
●右の奥歯1本と左の奥歯1本抜けている症例
この症例は抜けている部分の位置によって、入れ歯の良し悪しも多少変わります。中でも難しいのは、一番奥の歯が抜けた場合です。一番奥の歯が抜けるということは、その奥に歯がないわけですから、入れ歯をしっかりととめることが少し難しくなります。つまりこの部分が外れたり浮いたりしやすくなります。そのため、入れ歯に多少の工夫が必要になります。
反対に、一番奥の歯以外の部分の歯が抜けている場合には、前後に健康な歯があり、その間に入れ歯が入るような形になりますので、左右ともにぴったりと入れ歯が入ります。そして、入れ歯がはずれたり、浮いたりすることも非常に少なくなります。左右の奥歯をつなげている入れ歯の床の部分に異物感がありますが、現在ではこの部分を約0.5mmの薄い金属で作ることもできますので、異物感の大きい人には、金属製の入れ歯をお勧めします。また金属の場合には、金属は硬いので変形しにくく、かむ力にも耐えますし、入れ歯を落としても壊れることが少ないので、長年使ううえでも良い方法だと言えます。
●前歯で離れて2本抜けている症例
この症例は、あまり見られない症例ではありますが、1本だけ抜けているよりも、異物感は多少増えますが、入れ歯としての安定度はいいかと思います。前歯なので、奥歯ほど強くかむということもないので、見た目を重視して入れ歯とわからないように製作するのが一番大切な点だろうと思います。中にはどうしても前歯でもかみたいという患者さんもいますが、前歯だけの入れ歯で強くかむと、やはりはずれやすいですし、左右の歯にも良くない影響も考えられますので、あまり前歯で強くかもうとするのはお勧めではありません。
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