2025/02/06
こんにちは。プライベート歯科横濱です。
以前にNHKのためしてガッテンという番組で、「歯が抜ける!30代からの悪性虫歯&入れ歯の新常識」と題して、虫歯や入れ歯のくわしい説明が放送されてました。
最新の情報や一般の方の知らない歯科のお話をテレビで紹介していただけるのは、非常にいいことで、どちらかというとあまり注目されていない歯科治療を取り上げていただいてよかったと思っております。
歯科の専門家としては特に新しい内容ではなさそうなのですが、一般の方々にとってはあまり知らないお話ではありましたので、私はこれはこれで虫歯についても、入れ歯についても、今後意識して考えていただける非常に良い機会だったと思っています。
さて、私は入れ歯専門の歯科医師ですので、どうしても入れ歯のことが気になります。
この放送では、下の入れ歯のサンプルがスタジオに2つ出されていました。
1つは小さめの入れ歯で、もう一つは大きめの入れ歯です。あきらかに大きさのボリュームが違うのですが、歯並びは同じというものでした。
あごの骨が極端に少ない人の場合には、あそこまで大きな入れ歯になってしまうのかもしれないのですが、大きすぎる入れ歯というのも、慣れるまでにかなりの時間を必要とするでしょうし、第一に異物感が強すぎて、口の中に入れていること自体が不快で仕方がないのではないかと、思います。
またあそこまで内側も厚みがあるとしたら、舌(ベロ)が身動きとれないので、しゃべりづらいでしょうし、舌(ベロ)をたびたびかんでしまうのではないかとも想像します。
しっかりと食べ物がかめるように、入れ歯を安定させるという目的であそこまで分厚くしっかりした作りになっているのだろうと思いますが、患者さんが慣れるには、相当な努力が必要だと予想します。
入れ歯は、「食べ物をかむ」ということも当然大切ですが、それ以外にも、つけていて楽であることや、しゃべりやすいこと、見た目の良さなど、他にもいろいろ問題があります。
1日中、牛のようにもぐもぐと食べ物をかんでいる人というのはほとんどいないでしょうし、食事の時間を計算しても、1日3回食べて合計で1時間~2時間くらいじゃないでしょうか。それ以外の22時間は、かむこと以外の機能が必要になります。
もちろんしっかり食べることは生きていくうえで最重要課題ですから、一番大切だと思います。
でもお話しやすいということや、人から見て見た目がいいという要素も、社会的な意味として、かなり重要ではあります。
そこで考えますのは、理想的な入れ歯というのは、食べること1つだけではなく、お話もしやすく、つけていて苦痛でなく、見た目もいい入れ歯ということになります。
それらをバランス良く兼ね備えた入れ歯を作ることが、患者さんにとって最も大切であり、少し時間をかけて患者さんに寄り添って、丁寧に作り上げていくことが必要だと思います。
あるいは、こんな方法もあります。食べるために特化した入れ歯を1つ作り、外に出て人に会って話したり笑ったりすることに特化した入れ歯を、もう1つ作るという方法です。
過去には、とにかく異物感が嫌なので、極端にシンプルにした入れ歯を作って、家で使うリラックス用にしたいという患者さんもいました。
やはり、1人の患者さんの要望に合わせて、いろいろ試してみながら、最終的にバランスの良い入れ歯に仕上げていくこと、この方法がこれまでやってきた中で一番最適な方法だと実感しています。
入れ歯を使う患者さんの心や気持ちに合わせて、それに合った入れ歯を提供できれば、作り手としまして本当にありがたいことだと思っています。
2025/02/06
こんにちは。プライベート歯科横濱です。
入れ歯について多くの疑問や不安を抱える方々にとって、この記事が少しでも助けになることを願っています。
ここでは、入れ歯専門の歯科技工士がいる歯医者さんのメリットや治療の流れについて詳しく説明します。
● 入れ歯専門の歯科技工士がいる歯医者さんのメリット
入れ歯を作る際に、歯科技工士が直接患者さんと会って口元を実際に見ることで、唇のふくらみや頬の張り、笑ったときの唇の動きなどを把握できます。
このような情報を基に、より美しく自然で、機能的にも優れた入れ歯や補綴物を作成することが可能です。
また、調整や修理が必要になった場合にも、その場で対応できるため安心です。
● 入れ歯に悩む人が多い理由は?
入れ歯治療に関しては、歯学部では平均的な症例しか学びません。
そのため、多くの歯科医師は実際の臨床経験を通じて学んでいくことが多く、入れ歯治療に慣れていないことがあります。
さらに、入れ歯の型取りや上下のかみ合わせは、患者さんの体調や個々の感覚に左右されるため非常に難しいのです。
入れ歯治療は専門の知識と豊富な経験が必要であるため、
入れ歯治療を得意とする歯科医師や専門の歯科医院で治療を受けることが勧められます。
● 入れ歯を作るにはどれくらいの日数がかかるのか?
入れ歯の大きさや材質によりますが、製作にはだいたい2週間から1ヶ月かかります。
診療間隔は1週間に1回程度で、3~5回目の診療で入れ歯を口にセットし、その後調整期間に入ります。
● 入れ歯の調整に何回くらい通う必要があるか?
調整の回数は個人差がありますが、1回で済む方もいれば、10回以上通われる方もいます。
一般的には週に1回の調整を行い、1~3ヶ月程度かかることが多いです。
● 上の総入れ歯はどのように固定されているのか?
上の総入れ歯は、上あごの歯ぐき全体に吸盤のようにくっつけることで固定されています。
唾液の表面張力と空気の陰圧によってしっかりと歯ぐきに密着します。
● 入れ歯のメンテナンスはどれくらいの頻度が必要か?
入れ歯の大きさや部位によりますが、残っている歯のケアも考慮すると、半年に1度の来院が推奨されます。
歯周病の状態が良くない場合は、3ヶ月に1度のメンテナンスが必要となります。
● 入れ歯の寿命はどのくらい?
入れ歯の寿命はその作りやお手入れによって異なります。良い材料と丁寧な作りであれば、10年以上もつこともあります。
特に自由診療で製作した入れ歯は、修理や修正を繰り返しながら、一長期間に渡って使い続けられるように設計されています。
● 入れ歯の上手なお手入れ方法
通常のお手入れは、歯ブラシを使って細かく洗う程度で充分です。頑固な着色汚れには市販されている入れ歯洗浄剤、音波ブラシ、超音波洗浄器を使うと効果的です。
特に超音波洗浄器は細菌やタンパク質、色素などの汚れも取り除けます。
● 入れ歯の黄ばみや黒ずみは取れるのか?
長期間使用した入れ歯には黄ばみや黒ずみが発生することがあります。
洗浄しても取れない場合は、歯科医院で歯科技工士が専門的に研磨を行い、キレイに仕上げることが可能です。
当院では、半年に1度のメンテナンス時に研磨を行っています。
● 良い入れ歯は認知症予防に役立つのか?
入れ歯自体が直接認知症の予防になるわけではありませんが、しっかりと噛むことで脳に刺激を与え、認知症予防に役立つという報告があります。
適切な入れ歯を装着することで、美味しく食べられ、見た目や発音が改善されることで、人と会ったり話す機会が増え、心身ともに良い影響をもたらすでしょう。
入れ歯にまつわる疑問や不安を少しでも解消できたでしょうか。
入れ歯の治療を考えている方は、信頼できる専門の歯科医師と歯科技工士がいる歯科医院での治療をお勧めします。
お口の健康を大切に、笑顔で毎日を過ごしましょう。