入れ歯専門の技工士の視点

プライベート歯科横濱ブログ

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下の奥歯の部分に、1本の入れ歯

●手前の小臼歯という歯(4・5番目の歯)
上の小臼歯と同じく、入れ歯としては作りやすい位置の入れ歯になりますので、かみ合わせなどもしっかりと合わせて作れば、非常に安定した入れ歯になるかと思います。
長い目で見ると、その奥にある奥歯が弱れば非常に大変な状況になりますので、1本抜けただけの状態でずっと維持できるように、前後の歯を毎日きれいに歯磨きされることをお勧めします。

 

さらにもう1本奥の歯を失った際には、2本の入れ歯になりますので、かむ力がどうしても減少しますから、そうならないように気をつけてください。

 

この小臼歯の位置の入れ歯は異物感も非常に少なく作ることも可能ですから、入れ歯を入れていても、付けているのを忘れてしまうくらい快適になるかもしれません。
食べ物を思い切りかむのは健康な奥の歯にまかせることができるので、いろいろな面で入れ歯になっても不都合なことが少ない症例であると思います。

 

●奥の大臼歯という歯(6・7番目の歯)
上の奥歯と同様に、この歯を失うことは、かむ力の面では非常に悲しいことではありますが、しっかりと安定した入れ歯を作れば、ほとんどの食べ物が食べられるくらい、快適な入れ歯にすることも可能です。
かみ合わせの調整が最も大切になると思いますが、丁寧に何度も行っていけば、絶妙なバランスのかみ合わせになり、入れ歯でも快適に過ごせるかと思います。

 

奥にもう1本歯がある場合には、かなりしっかりとした良い入れ歯が作れるかと思います。
クラスプというバネのような引っかけをつけるのが普通の方法ですが、これだと繊維の物がひっかかるし、若干異物感も大きいので、このバネのような引っかけをつけないで入れ歯をつくる方法もあります。
バネのない入れ歯で、はぐきでしっかりとかむというのが理想的ですが、そのような入れ歯を提供できるのは、限られた歯科医院になります。

 

そして問題は一番奥に歯がない場合です。上の場合と違って落ちてはこないのですが、かむたびに入れ歯が上下左右に動揺する可能性の高い入れ歯になります。

 

きちんと計算されたうえで入れ歯を製作しないと、失敗する可能性もある入れ歯です。
もし良くない入れ歯を使えば、さらに前にある奥歯も失ってしまう原因を作る可能性もありますから、非常に綿密に考えて入れ歯をつくらないといけない症例と言えます。

前歯1本抜けている場合の、一番良い治療方法は

残っている左右の歯の状態にもよるでしょうが、入れ歯かブリッジかのどちらかの選択になるかと思います。
実際の歯の状態を見ないと、どちらとも言えないというのが正直なところです。

 

ブリッジの場合には、左右の歯を大きく削らなくてはなりません。
健康な歯を大きく削るというのは嫌ですし、歯にとって良いことではありません。

 

もし左右の歯が治療されてかぶせ物であったり、虫歯がかなり大きい場合などでしたら、治療するとともに、3本のブリッジにすればいいでしょう。
でもそうではなく全く健康な歯でしたら、はじめからブリッジを選択しなくてもいいのではないかと思います。

 

その場合には、まずただ型どりをして作れる1本の入れ歯を試してみたらいいと思います。
前歯の入れ歯は、話す時に舌が触れるので奥歯よりも異物感が大きいかもしれないですが、若い人でも入れ歯を使っている患者さんは結構いらっしゃいます。
慣れてしまえば、メガネや腕時計のように付けていても気にならなくなるようです。

 

入れ歯を試して、入れ歯がどうしてもダメな場合には、次にブリッジを選ばれたらいいと思います。
ブリッジにしてから入れ歯はできないですが、入れ歯を試してみてからブリッジにすることはできます。

 

今では保険診療で作る入れ歯のような針金のバネのようなものがない、審美的に非常に見た目のいい入れ歯が作れますので、ぜひ試してほしいと思います。
色も形も素敵で、とても入れ歯とは思えないようなものも製作できます。

 

上の前歯の部分に、1本の入れ歯

上の前歯が1本ないというのは、見た目の面で問題が大きいので、どんな治療をするのか、最も気にされる人が多いかと思います。
入れ歯の他に、ブリッジやインプラントを考えられる人もいると思いますが、ここでは入れ歯にする場合の説明をさせていただきます。

 

上の前歯1本の入れ歯の患者さんは結構いらっしゃいまして、入れ歯でも快適に過ごされています。
思い切り自分の歯のように食べ物を何でもかむというようなことはできませんが、見た目を回復して、入れ歯とはわからないような入れ歯に作ることは可能です。

入れ歯で過ごせるのならば、ブリッジやインプラントのような危険なリスクを負うこともないので、安全で清潔な方法だと言えます。

●中央の歯(1番目の歯)がない人
真ん中の歯が歯の中では一番目立つ位置にありますので、見た目の審美的な要素が重要で、左右反対側の歯と同じ形や色の歯に修復するというのが基本になります。

まずは、左右反対側の歯に近い形や色の人工の歯を選び出して、選んだ歯をもとに、プラスティックの入れ歯を製作します。
ここではじめにプラスティックの入れ歯を作るのは、入れ歯自体がどうしても使えない場合もあるからです。

前歯の部分は舌先がよく当たる部分でもありますので、前歯に入れ歯を入れても大丈夫かどうか、確認するためであります。
それで問題がない場合には、さらに異物感の少ない薄くて小さな金属の入れ歯にして、より質の高い入れ歯に変更することをお勧めしています。

現在では、入れ歯とわからない、見た目のいい入れ歯が作れますので、安心していただけたらいいかと思います。

●中央の横の歯(2番目の歯)
真ん中の歯よりも少し小さい歯になり、側切歯と言いますが、この歯も前歯で目立つ位置にあります。
ただこの歯は、左右きっちりと整えた歯並びにする必要はなく、多少歯並びを変化させても面白い歯なので、大きさ・形・色が合っていれば、アレンジして歯を並べることも可能です。

真ん中の歯よりも小さいので、入れ歯も小さく、異物感も少ないかと思います。
この歯の入れ歯も、はじめはプラスティックで作り、問題がなければ最終的により快適な金属製の入れ歯を作られたらいいかと思います。

●犬歯(糸切り歯、3番目の歯)
八重歯とも言われ、女性でたまに若い頃の八重歯を再現したいという人もいらっしゃいます。
歯の中では最も根が長い歯で、かなりしっかりした歯であります。

この歯はかみ合わせにも影響が大きい歯になります。前歯から奥歯に変わっていく途中の位置にある歯なので、非常に大切な歯で、入れ歯を固定するために、あるいは入れ歯がハグキに食い込まないように支点としてよく使われる歯でもあります。
根が長いので、この歯だけが抜けるという症例は少なく、前後の歯も抜けているという状態が多いかと思われます。

ですので、この歯1本の入れ歯というのはほとんどないですが、他の前歯と同じく、まずはプラスティックの入れ歯を作り、その後に金属製の入れ歯に作り替えるという方法が、一番失敗なくスムーズに治療がすすむだろうと思います。

抜けた3本が、3本並んでいる症例

3本の入れ歯の場合、連続で並んでいる症例が一番難しくなります。また抜ける位置によって、難しさは異なってきます。

前歯の位置、奥歯の手前の位置、一番奥の位置で、順番をつけるとすると、最も難しいのが一番奥の位置です。次に前歯の位置。そして奥歯の手前の位置になります。

 

●一番奥の部分が3本並んで抜けた症例
奥歯というのは、歯の中でも大きな歯になり、かみ合わせるにも一番大切な歯になります。
この部分が3本も抜けた場合には、入れ歯で食べ物をかむ時に、元の自分の歯のようにはいかないと考えていただいたほうがいいと思います。かむ力もかみ具合も天然の歯とは違った感じになるかと思います。

 

また、かむこと以上に問題なのは、入れ歯を固定するのが非常に難しくなります。
抜けた片側だけで維持するのは困難なので、反対側まで入れ歯の床の部分を延長して、反対側の健康な歯に負担をかけて入れ歯をとめないといけなくなります。
それでも片側に3本の入れ歯の場合には、かむたびに少しカタカタと動く可能性は高いです。

 

この症例の入れ歯は大変難しいので、このようにならないように、1本や2本抜けた段階で適切な処置をしたほうが賢明だと思います。
基本的に、3本以上歯が並んで抜けている症例は、入れ歯としては難しい症例になると考えてください。

 

●前歯が3本抜けている症例
この場合に、下の前歯ならば入れ歯が落ちる心配はないので、前歯2本抜けた症例に近いのですが、上の前歯が3本抜けているとなると、少し難しくなります。

 

上の前歯3本の入れ歯は、少しゆるむと入れ歯がカタカタ動いたり、あるいは何かの反動で落ちたりする可能性がありますので、外出している際にそのようなことになったら大変なことですから、しっかり固定する必要があります。

前後左右のギシギシするかみ合わせの調整も丁寧に行わないと、食べている時に前歯が動くように見えるので、慎重に行わなければなりません。

 

しっかりとめるために、前歯の所だけでは弱いので小臼歯という手前の奥歯まで入れ歯の床の部分が延長される場合がありますが、とにかく確実にとめることが見た目の面でもかむ面でも大切かと思われます。

 

また、前歯3本の症例では、入れ歯にして良かったと言われることがたびたびございます。

歯を抜く前の歯の歯並びがあまりお好きでなかった患者さんの場合には、入れ歯になると好きなように歯が並べられますので、以前よりもきれいな歯並びになったと答えてくださる患者さんが結構いらっしゃいます。

 

これだったらグラグラしたまま放置しないで早く入れ歯にすればよかったという方は多いです。

 

奥歯は何本抜けたら入れ歯を入れるべきか

奥歯は1本でも抜けたら入れ歯を入れるべき、というのが一般的な答えだと思います。

 

ただ一番奥の歯1本だけの場合には、作った入れ歯が苦痛で精神的につらいとか、かみ合う歯が全くないとか、特別な状態の場合には、歯科医師による判断で入れ歯はしなくてもそんなに問題ないということもあるかもしれません。

 

これは一番奥の歯の場合だけであって、中間の歯や前歯の場合には、必ず何らかの処置をするべきだと思います。入れ歯に限らず、ブリッジなども検討されていいのではないかと思います。

 

一番奥でも2本連続して歯がない場合にはこれは入れ歯を絶対入れた方がいいと思います。奥歯は歯の中でも一番大きな歯ですから、食べ物をかむだけでなく、左右のバランスの問題もあります。
残った片方だけで過ごすのではなく、左右両方の歯である程度均等にかめるようにするのが体にとっても大切ではないかと考えます。

 

もし2本の奥歯に入れ歯を入れない場合には、その手前の小臼歯という歯に非常に大きな力が加わります。するとこの歯も悪くなっていく可能性がかなり高まってきます。
2本抜けただけだったのが、3本、4本と増えれば、入れ歯としては非常に難しい症例になってしまいます。こうなると入れ歯に慣れて使っていくのに相当苦労されると言えます。

 

ですから、1本抜けたら一度入れ歯を試してみて、入れ歯がダメならばその手前の歯が悪くならないように毎日きれいに清掃して、これ以上歯が抜けないようにぜひ気をつけてください。
反対に入れ歯が大丈夫な人は、入れ歯の大変さもわかると思いますので、この方も、それ以上入れ歯が大きくならないように、入れ歯も手前の歯も毎日きれいに洗ってください。

2本になったら2倍以上大変です。1本の入れ歯で済むように、歯のケアを続けてください。