抜けた4本が、4本並んでいる症例

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抜けた4本が、4本並んでいる症例

4本歯がない場合はたくさんの症例が考えられますので、その中でいくつかに絞って、ご説明したいと思います。

 

まず歯が4本抜けている状態というのは、4本並んで抜けている症例から、3カ所に分かれて1本と1本と2本という症例、1本と3本の2カ所に分かれている症例、2本ずつ2カ所に抜けている症例、4カ所で1本ずつ4本抜けている症例まで考えられます。

 

さらに抜けている位置で入れ歯の形も変わってきますので、さまざまなパターンの入れ歯が考えられます。以下で詳しく説明いたします。

 

≪抜けた4本が、4本並んでいる症例≫
4本の入れ歯の場合、この症例が一番難しくなります。
連続して並んで抜けているというのは、その部分が歯ぐきという柔らかい粘膜だけで入れ歯を支えないといけない状態でありまして、その長さが長くなるほど入れ歯としては安定しにくくなります。そのため、入れ歯を成功させるうえで、かなり難しくなるのです。

しっかりした歯があればあるほど、入れ歯は安定しますから、飛び石のように歯が抜けた状態の方が、入れ歯としては成功しやすいです。

 

●一番奥の歯が4本並んで抜けた症例
これが最も難しい症例になります。まずは入れ歯をしっかり固定することができるかが最初の問題です。
強く固定することを考えるあまり、残っている歯に大きな負担をかけて、歯をダメにしてしまっては大変です。

 

連続で4本抜けているのが5本になり6本になればもっともっと入れ歯は難しくなりますので。そのためにできるだけ少ない負担で入れ歯を固定する必要があります。
この症例の場合には片側だけの入れ歯は無理で、反対側の奥歯までしっかりと入れ歯の床の部分を延長しないと、入れ歯として使うのが難しいかと思います。

 

全体的な入れ歯になりますので、異物感は大きくなりますが、入れ歯を入れないと左右のかみ合わせのバランスもとれないですし、片側だけで食べ物をかむというのは、他にさまざまな問題が出てくるかと思います。

 

かみ合わせの安定を考えて、4本の入れ歯でも食べ物がしっかりかめるように調整していくことが大切だと思います。
かみ合わせが安定すれば、入れ歯が動いたり浮いたりすることも減ります。

 

1本~3本の入れ歯と比べたらかなり入れ歯の使い方も難しくなるとは思いますが、訓練して慣れていただくしかありません。
ひと言でいいますと、片側だけにかたよった入れ歯になりますので、定期的な調整にも必ず通われたほうがいいと思います。

 

これはあくまで経験からの話ですが、4本並んで抜けている場合、その反対側に抜けた歯があると、逆に左右のバランスが少しとりやすいので、入れ歯は安定する傾向にあります。
右に4本、左に2~3本抜けている入れ歯の状態の方が前より使いやすくなったという患者さんもいらっしゃいます。
歯が抜けることは良くないことですが、抜ける位置によっては、逆に入れ歯は安定して使いやすくなる場合があります。

 

●前歯が4本抜けている症例
この場合は上でも下でも、入れ歯として長くなりますので、しっかり固定できるかどうかがまず問題になります。

 

残っている歯の状態が非常に重要で、あまり強くない歯でしたら、その歯に負担はかけられないので、さらに奥歯の方まで入れ歯の床の部分を延長して作らないといけません。
前歯はおしゃべりする時に、かならず舌先が当たる部分になりますので、できるだけコンパクトに作って小さな入れ歯にしたいと思いますが、まずはカタカタ動かないように止めることと、できるだけ弱い歯に負担をかけないことを優先した入れ歯作りになるかと思います。

 

3本並んだ前歯のところでも書いていますが、見た目に関しては、とてもメリットがあります。
患者さんの好きな形と色の歯を使って、希望する歯並びに並べる自由度があります。可能な範囲でご希望の歯並びにすることができます。