入れ歯の上手な使い方②

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入れ歯の上手な使い方②

入れ歯をセットして、入れ歯の使い方にだんだん慣れてきましたら、さらにもう少しうまく入れ歯を使いこなしていただきたいので、いくつかポイントをお伝えします。

 

ここでは、大きめの入れ歯の患者さんについてお話します。大きめの入れ歯になりますと、何本か残っている歯よりも、口の中はほとんど入れ歯なので、入れ歯を中心とした考えで取り組んでいかれたほうがいいかと思います。

 

まず、食事をする時には、食べ物はやはりおいしく食べたいものですから、最初は好きなようにかじって食べていただいていいかと思います。その次に、食べ物が口の中でこなれてきた時には、左右のどちらか一方でかんでいる人が多いのですが、ぜひ反対側でかむようにしてほしいのです。

 

例えば、右ばかりでかみ続けていると、入れ歯はプラスティックですので、右側が極端にすり減っていきます。すり減るだけでなく、入れ歯がズレてしまい、あごが右に移動して、かみ合わせ自体が変化してしまいます。

 

入れ歯の人工の歯は、経年劣化ですり減ってきますので、できるだけ左右バランスよくかむということが大切なポイントになります。

 

ただ、今まで右でしか食べていなかった人が急に左でかめるようになるものではないので、最初はいつもの右でかんでもいいですが、食べ物がこなれて来たら、リハビリだと思って、少しづつ左でもかんでいく練習をしていただきたいのです。

 

もともとは右でも左でもかめるようなアゴをされていますから、だんだんと反対側も使えるようになってきます。その時に意識していただきたいのが、奥歯でかむという感覚です。

 

入れ歯は前歯に強くあたるとはずれやすかったり、動きやすくなります。ですから、できるだけ奥歯で食べ物をかむことを意識して使ってみてください。

 

そうすると、前歯でそうめんとか細い麺類などがかめないよという患者さんがたまにいらっしゃいますが、その時には、下アゴを少し前に突き出すような感じにしてもらうと、入れ歯が前に当たります。カチカチと上下にかんだだけでは、前歯にすき間があるかもしれませんが、下アゴを前に少し突き出すと、上の入れ歯や歯に当たるように作っていますので、それで細い麺類でもちぎれてくれます。ぜひコツをつかんでみてください。入れ歯はあくまで道具ですので、使い方をいろいろ工夫して使ってみてください。