2022/10/15
技工士の関戸です。
前回の「入れ歯の見た目が気に入らない患者さん」に続きまして。
では、具体的にどうすれば前歯が良くなるのかという話をします。
入れ歯の場合には、前歯の見た目に関しまして、大きく2つに分かれます。
1つは、ご自身の前歯が残っていない場合であり、もう1つは前歯が数本残っている場合です。
1本~数本の前歯が残っている患者さんの歯並びは、やはり残っている歯に合わせて、見た目がいい感じに仕上げなくてはなりません。残っている歯を無視して並べるわけにはいかないので、うまくアレンジしながら入れ歯の人工の歯だと思われないように並べる必要があります。
そして、前歯が残っていない、あるいは、前歯が歯の根っこしかないという患者さんの場合には、簡単に言いますと、好きなように並べられます。もともとの歯が前歯がぜんぜん見えなかった人もすべてとは言いませんが、見せることができます。
下のあごが出ているので、下の歯ばかりが今まで目立っていたという人も、入れ歯になると、まるで矯正したかのように、上の前歯を下の前歯より前に出せるので、かなり見た目が良くなる患者さんも多いです。誰でも必ずできますとまでは言えませんが、ほとんどの患者さんは、見た目には満足していただいているかと思います。
なぜかと言いますと、見た目にこだわりのある患者さんの場合には、歯並びを何度も確認してもらうからです。しかも希望があれば、ご自宅に持って帰ってもらって、しばらくよく検討してもらうようにもしています。ご家族の方にも見てもらって、それで十分納得してもらってから、仕上げに入りますので、前歯に関しては、ほとんど満足されていると思っています。
これから数年、数十年と使われる入れ歯ですから、よく検討してもらって作るのが一番合理的だと考えています。自由診療なので、まさに文字通りに、自由にお作りすることができますから、患者さんの要望に対して臨機応変に対応しています。
また、実際に歯並びをするのは技工士の私ですが、患者さんの前歯の歯並びに対する思い、そして視点はとても正確だと実感しています。患者さんと前歯について話し合いながら、どういう希望なのか?どういう好みなのか?を必死でつかむように心がけています。
今まで笑う時にいつも口元を手で隠していたけど、この入れ歯に変えてからは、堂々と気にせず大きく笑えるようになったというお言葉をたまにいただけるのですが、これからも一人一人の患者さんの要望に応えられるように、頑張っていきたいと考えております。