2022/03/01
技工士の関戸です。
院長の指示で患者さんの入れ歯の調整をよく行うのですが、私の調整方法は、至ってシンプルです。
歯医者さんは、診療台のヘッドレストに患者さんの頭をつけるような形で調整されたり、あるいは、さまざまな理論や手法で独自の調整をされたりましますが、私は、いつも患者さんに、「自宅で食べているようなつもりでかんでください。」とお伝えしています。
といいますのも、入れ歯はまず普通に食べられるということが一番大切で、『普通に食べる』という状態は、おそらく自宅でリラックスしながら食べている状態が一番近いと考えています。
ほとんどの方が、一生涯の間で食べる場所として一番長いのは、自宅のいつもの椅子に座って食べるという状態じゃないかと思います。テレビなどを見ながらであったり、あるいは、家族とおしゃべりをしながら、ムシャムシャと無意識に食べるというのが、いわゆる普通に食べる状態と思っています。
それで診療台ではなく、個室の待合室のソファーに座っていただいた状態で調整を繰り返していきます。最初な慣れない患者さんも、何回も繰り返し続けて調整を行っていく中で、コツをつかまれて、私も調整しやすくなって行きます。
今まで『意識してかむ』ということを多くの方はやられていませんので、少し意識をしていただきながら、それでもリラックスしてかんでいただきます。
調整していく中で、患者さん自身がかみ合わせが良くなっていくのを感じられますし、慣れた患者さんでは、ご自身でこのくらいがいいと言われる方もいらっしゃいます。
調整しながら、いろいろ話を聞かせていただける患者さんもいらっしゃいますし、私も今まで聞いたことがないような入れ歯の話をいろいろお話したりします。非常に充実した、真剣勝負の楽しい時間です。
患者さんに入れ歯で普通に食べていただけるように、日々精進するのみです。