2020/12/04
技工士の関戸です。
「歯がグラグラしているのですが、どうしたらいいですか?」というご質問は、診療中でも電話などでもよく話されます。
一言で言いますと、グラグラの度合いに寄るということになるかと思いますが、これまでの患者さんの傾向から申し上げますと、抜かなくてもいいくらいのグラグラ具合の患者さんは、かなりいらっしゃいます。
その中で、当医院の院長に診てもらう前に抜いてしまっている患者さんも当然多くいらっしゃいますが、できましたら、抜く前に一度、当医院を受診してもらいたかったというのが本音です。
もしかしたら、入れ歯にする際に、有効的な利用方法があったかもしれません。歯というのは、抜いてしまえば、もうどうしようもないものですから、本当に抜く以外に方法がない場合を除いて、あわてて抜かないことをおすすめします。
多少グラグラしていても、よりしっかりと入れ歯をとめるために、歯の土台があるということは、とても大切なことです。ブリッジや差し歯にすることはできないような、弱った歯でも、入れ歯を製作する際には、かなり大きな助けとなる場合があります。
ところが、入れ歯にあまり詳しくない、得意ではない歯医者さんの場合、入れ歯を作るのに邪魔だから早めに抜いてしまう場合があります。多くの歯医者さんは、歯の治療に力を入れていまして、入れ歯を専門的に力を入れている歯医者さんは1割もいないと言われます。
ぜひ良い入れ歯を入れる時には、入れ歯を専門的に扱う医院で、入れ歯に合わせた治療もできる歯医者さんに依頼してください。その時には、急がず、じっくり考えて取り組んでください。
1本の歯が抜けたことはきっかけで、次から次へと抜けていき、最終的に総入れ歯にまですすんでしまう可能性もないわけではありません。総入れ歯は、どこにも固定することができないので、大変な状態になる症例もございます。
できるだけ今残っている歯を大切にしながら、入れ歯とうまく共存して生活していっていただきたいので、入れ歯も質の高い、良い入れ歯を作られることをおすすめします。