2020/02/21
技工士の関戸です。
通っている歯科医院で、歯の根っこにひびが入っているので、歯を抜いて入れ歯にするか、あるいはブリッジにするか考えてくださいと言われ、入れ歯にしようかと思われた患者さんから、連絡をいただくことがよくあります。
保険診療で一度入れ歯を入れられてもいいと思いますが、うちの医院では、残っている前後の歯にあまり負担のかからないタイプの入れ歯がありますので、それを一度試されるのもおすすめですと答えています。
保険診療の1本の入れ歯は、だいたい抜けた歯の前後の歯に、クワガタの角のような形のバネを取り付けたタイプの入れ歯が多いです。これですと、まず見た目がいかにも入れ歯です!という感じになりますので、女性患者さんの多くは嫌がられます。また、前後の歯にきついくらいしっかりととめてしまうので、物を食べるたびに前後の歯は横に動かされてしまいます。つまり、健康な歯が入れ歯にきつく抱きつかれて揺さぶられてしまうのです。
これでは健康な歯まで何らかのダメージを受けてしまいます。うちのタイプの入れ歯は、歯に抱きつくのではなく、そっと腰に手をあてるように、歯に少しの力で当てるだけで歯に大きな負担がかからないような入れ歯になっています。なので、使われている患者さんからは、入れていてとても楽です。ほとんど気になりません。とよく言われます。
また、歯の根っこにひびが入ったから入れ歯にしたいということで来院されたのですが、実は歯の根っこが割れてなかったというケースもあります。その場合、わざわざ歯を抜かなくてもいいですし、抜いてしまってから当医院に来られるのではなく、本当にひびが入っているのかどうか、どのような状態なのか、もしかしたら救える可能性のある歯であるかもしれませんので、あわてて歯を抜くことなく、まず来院して見せてくださいともお伝えしています。
しっかりした診断のもと、正しい処置を受けて、そしてできるだけ良質な入れ歯を選ばれることが一番いいかと思います。
保険診療で一度入れ歯を作られてから、来院された患者さんの場合、保険の入れ歯と自由診療の入れ歯の違いに、驚かれる患者さんも多いですが、入れ歯専門の技工士としましては、はじめて入れ歯を入れるような場合には、そのはじめての体験がのちのちまで深く影響を与えることもあり、非常に大切な期間であると考えられますので、最初から良質な入れ歯を使用される方がスムーズな入れ歯生活が送れるかと思います。
入れ歯で苦労をされますと、どうしても苦手意識が先に立ってしまったりします。スムーズな形で慣れられて不満のない生活を送られるのが一番いいかと思います。