2020/01/06
新年 明けまして おめでとうございます。
新しい年を迎えて、今年新たに何かに取り組もうと考えられている方も多いと思います。
将来的なことも考えて歯をきちんと治療しよう、入れ歯を作り直そうという方もいるかもしれません。
これまで使い慣れてきた入れ歯を新調する際に、いくつか注意点がありますので、入れ歯専門の技工士としてご紹介させていただきます。
1点目は、入れ歯に限らない問題です。例えば、新しい自転車や新しい靴を購入しますと、乗り慣れるまでにしばらく時間がかかりますし、歩き慣れるのにも多少時間がかかります。
入れ歯も同じで、2つとして同じ入れ歯は存在しませんので、2週間~1カ月は使い慣れるまでの期間が必要になります。この期間に大きなイベントがある場合には、新しい入れ歯を作るのは、もう少し先にされたほうがいいかと思います。つまり、ある程度の期間を準備していただいてから、新しい入れ歯に取り組むというのが理想的です。
2点目は、2つとして同じ入れ歯はないと書きましたように、まったく瓜二つの入れ歯はなく、使い慣れた以前の入れ歯とまったく同じような気持ちでいられますと、いつまでも慣れないということがございます。
新しい入れ歯は、以前の入れ歯とは異なるものでありますので、新たに新しい入れ歯に対応して行こうというお気持ちで取り組んでいただいたほうがいいかと思います。
長年使ってきて馴染んでいる感覚をそっくりそのままコピーすることは簡単なことではありません。また新しい入れ歯とうまく付き合っていくという感覚でいてください。
新しい入れ歯には、いくつかのメリットがあるはずです。まずは、材質的に新品の材料で仕上げますから、衛生的には非常に良いです。歯も白く光っているでしょう。特に、奥歯に関してましては、長年使ってきてすり減っていたかみ合わせの部分が、しっかりとかめる感覚に戻って、咀嚼効率がアップしているはずです。すり減った分のかみ合わせの高さも元に戻り、口元の印象も良くなっているかと予想します。
入れ歯は、プラスティックで作られている部分が多く、この部分は、実は小さな穴ぼこだらけです。そこに、食べ物がつまったり、飲み物・食べ物の汁がしみ込んだりします。タバコのヤニやワインなどで着色もします。
毎日、超音波の洗浄器や入れ歯洗浄剤できれいに管理されていたらそれほど問題はないですが、長期的に見ればどうしてもプラスティック部分は時間とともに劣化して行きます。定期的に入れ歯を作り直すことは、健康面でも、衛生面でも大切なことです。
たまに、20年も入れ歯を使っているということを自慢される患者さんや歯科医師もいますが、世の中のどの商品を見ても、20年前とまったく変わらないままの状態で20年後も使えているようなものは、おそらくかなり少ないですし、機能面が落ちている可能性が高いと考えられます。
食べることは、一番大切であると言っても過言ではないかと思います。1日3食、365日、毎日食べていくわけですから、できるだけ良い状態の入れ歯で過ごしていただきたいです。
とにかく作り直すのがいいとは決して言えません。作り直したほうが良くない入れ歯だったということもあるでしょう。できるだけ良い入れ歯を選んで、快適な食生活を送っていただくのが一番ですから、いろいろな入れ歯を探して自分に合った入れ歯をぜひ見つけてください。