2016/02/20
通常、歯科技工士は入れ歯の歯を並べるとき、教科書通りといいますか、入れ歯として並びがきれいに見える並び方を行います。
しかし、そうすると、どうしても平面的で画一的な感じがして、いかにも入れ歯をしているように見える場合があります。
こういう整列されたきれいな歯並びがお好みの患者さんは、そのままシンメトリーな歯並びで仕上げさせていただいています。
そして、そうではなく、もう少し自然の歯に見えるように並べてほしいと言われる患者さんには、少しづつ微妙にズラしたりして、その患者さんの口元を見たイメージを頭の中に残しながら、少し左右で違ったイメージだけれど、全体的にはきれいな歯並びになっている、という感じで並べています。
中には、もっと歯並びを乱して、入り組んでいるほうが自然の歯のように見えるので、そのほうがいいという患者さんもたまにいらっしゃいますが、多くの患者さんは、「きれいに」と「自然に」の2つのバランスをかねそなえた歯並びを選ばれます。
ただ最近では、歯周病がひどかったのか、あごの骨が極端に少ない患者さんや、歯周病で歯が動くために残っているご自身の歯がゆがんで並んでいる患者さんも数多いので、入れ歯としての歯並びも簡単には並ばなくなっています。
残っているご自身の歯とのバランスを考えながら、なおかつ、くちびるや頬のはり方なども予想して、丁寧に並べていかなくては、口の中に実際に入れたときに、喜んでもらえるような歯並びになりません。
入れ歯専門の技工士としてましては、一番緊張する瞬間でもあります。
難しい歯並びを解決して、患者さんに納得してもらえたときには、このうえなくうれしく、またひとつ鍛えていただいたと思い、日々精進していますが、難しい歯並びの人が増加しているように、なんとなく思います。