2015/11/05
保険診療の歯科医院の場合、ドクター1人に対して、1日平均で15名~30名の患者さんの来院があると言われます。
朝から晩までで15名~30名ですと、8時間として、1人の患者さんの治療にかけられる時間はざっと15分~30分になります。
このような短い時間で丁寧な治療を行うのは、本当に可能なのかどうか、私は疑問に思いますが、保険診療では毎日それくらいのペースでやられているということです。
私は技工士ですが、今の3倍以上の患者さんの仕事が来た場合には、まちがいなく質を落とさないとこなせないだろうと思います。一定の質を保ったまま、量を倍以上にするのは、なかなか気持ちや技術だけは難しいのではないかと言えます。
当院の院長は1人1時間は治療時間をとります。
まず世間話や本日行う治療の説明、実際の治療、今後の治療や次回の治療の説明などで、ゆったりとしながら丁寧にひとつひとつ説明と確認をしながら行っています。
ですから1日に15人も来院されることはなく、多くても10名ほどになります。
1時間の間に、スタッフ全員で集中して、1人の患者さんの治療を行う体制にしていますので、充実した質の高い治療を行っていると思っています。
予約はほとんど時間通りに始まります。早く治療が終わった時には、患者さんと院長とで世間話やその他のいろいろなお話をしてらっしゃいます。
入れ歯の患者さんは、院長よりも年上の方々が多いので、それまで過ごして来られた人生経験のお話しなど、私たちも聞かせていただいて非常に興味深いことが多々ございます。
ありがたいご教訓だと思っています。