2024/05/10
入れ歯専門技工士の関戸です。
「そちらの入れ歯はどれくらいもちますか?」
たびたび患者さんからこのような質問をお受けします。
入れ歯は、患者さん一人一人のお口の中の状態で変わってきますので、一概には言えませんとお答えするしかないのですが、当院開業から18年になりますので、18年間入れ歯を使われている患者さんは当然いらっしゃいます。
特に、最終的に金属製の入れ歯を作られた患者さんの場合には、金属部分の修正はなく、長期的に使われている方が多いです。一方、プラスティックの入れ歯はどうしても経年劣化しますし、変形もしてきますので、なんらかの形で追加修正を行っているというのが現状です。ただ、プラスティック製の入れ歯でも問題なく10年以上使われている患者さんはたくさんいらっしゃいます。
問題は、入れ歯そのものというよりも、残っている歯の状態がどうかということです。入れ歯を作った後に、残っている歯に何かの異常が生じますと、直接的に入れ歯に関係してきます。
例えば歯が抜けたとしたら、入れ歯に新たに歯を追加しなくてはなりません。1本だけではなく、数本以上抜けるような状態になった場合には、つぎはぎだらけの入れ歯になってしまうこともありますので、めったにありませんが、作り直しをしたほうがいいという場合もございます。
入れ歯自体は、それこそずっと使えるものです。ただし、修正や調整をして行かないと長く使ってはいけないと思います。車でも車検が2年に1回ありますし、車のタイヤやバッテリーなども時期が来れば交換しないといけなくなります。入れ歯も同じで、入れ歯のかみ合わせの歯の部分は人工の硬いプラスティックで製作されていますので、だんだんとすり減っていきます。
この人工の歯のすり減りは、とても個人差が大きいです。80歳を超えた女性の患者さんでもかむ力の強い患者さんは、1年くらいですり減るような方もいらっしゃいます。当院では定期的なメンテナンスに通われている患者さんの場合に、すり減った人工の歯に新たにプラスティックを追加する修正を行っています。
そういう形で定期的に維持・管理を丁寧に行っていけば、入れ歯は基本的にずっと使って行けるものだと思います。