2021/12/16
今年も残り2週間ほどになりましたが、コロナ下でありながらも、治療やメンテナンスにご来院くださいまして、ありがとうございます。
入れ歯はあくまで人工物でありまして、毎日使い続けている中でどうしても経年劣化していきます。ただ、少しづつ変化しているだけなので、患者さんにとっては、まるで変化していないように感じるのも無理はありません。しかしながら、3年も5年もそのままの状態を維持し続けていくことは非常に難しいものです。
治療後、だいたい半年から1年すると、なんらかの変化があることが多いです。そのため、メンテナンス期間をおおよそ半年として、ご案内しております。
入れ歯の中で特に変化するのは、かみ合わせの部分です。
多くの患者さんは、左右のどちらかで強くかんでいますので、その部分を中心に歯のかみ合う表面がほんの少しづつすり減っていきます。自動車のタイヤが数年かけてすり減っていくようなイメージです。自動車の場合は、タイヤ自体を交換しなくてはいけませんが、入れ歯の場合には、すり減った人工の歯だけ交換する方法もあれば、すり減った部分だけ材料を追加して高くして修復する方法もございます。
作り手の技工士としておすすめしますのは、歯自体の交換をするのが一番ですが、すり減った部分だけの追加修正するだけでも結構だと思います。費用は少しかかりますが、良い材料もありますし、修正時間も長時間かかりませんので、それでも充分かなと思います。
何より、高さがすり減ったままで使い続けることは、かむことだけでなく、ハグキにとっても良くないですし、口の中全体のバランスが崩れ、残っている歯に大きな負担をかけることにつながりますので、そういった意味でも入れ歯のメンテナンスは大切になってきます。合わない入れ歯や、かみ合わせの悪い入れ歯を使い続けることは、長い目で見て非常にリスクがあります。
コロナ下のために、来院を控えている患者さんもたくさんいらっしゃるかと思います。ですが、一度きちんとセットされた入れ歯をできるだけ長期間、安定して使っていくためには、ぜひともメンテナンスには来ていただきたいと考えます。ちょっとしばらく行っていないという方は、何か悪い症状がでる前にメンテナンスに行くことで、ひどい状態にならない形で処置できることは実は多いです。年明けにでも機会をみて、歯の点検、入れ歯のメンテナンスに来てください。